YAMAHA YZF R6 2003年式。
自分をサーキットに導いたマシンだ。
正確には2003年の春。
世界GP鈴鹿サーキットで加藤大治郎が転倒。
その数日後に死亡。
青山のHONDAに献花しに行ったっけ。
いい年して大治郎が命を懸けて走ったサーキットを走りたいと思った。
それまでストリートオンリーだったのに。
行きつけのバイク屋のオヤジに中古で400ccのレーサーレプリカ探してくれって頼んだ。
オヤジは「お前の事だから400じゃ満足出来ないだろうと」と言った。
その時は別に排気量にこだわりは無かった。
ただサーキットを走ってみたいだけだった。
そして数ヶ月。
バイク屋のオヤジはいい出物を探して来てくれた。
知り合いのバイク屋の店長が乗っていたというR6だ。
しかも2003年式。
まだ乗り出して半年くらいじゃね!
いいのかよ店長。
カラーはアメリカンイエロー。
ケニーロバーツ世代の自分からしてみたら最高だ。
いくらで購入したかは思い出せないが始めてのレーサーレプリカで興奮した。
ポジションはコンパクトだがかなりの前傾姿勢。
足つきも結構キツイ。
コケてもいいように早速フレームスライダーを注文する。
一週間後にバイク屋に届き取り付けてもらう。
そしてその2週間後、千葉のショートサーキットでサーキットデビューする。
その頃は好奇心だけで、本格的にサーキットにのめり込もうとも思わなかった。
だからツナギではなく革パンツにプロテクターの入ったライディングジャケットで参加した。
その時だ。
その後、自分の師匠となる元GPライダー、新垣選手と出会ったのは。
サーキット初走行。
周りはサーキットなれして膝を摺って走っていく連中がウジャウジャ。
アツイじゃねーか!
自分はすぐに新垣選手に教えを乞いに行った。
そして止まったR6の上で体重移動をして見せた。
新垣選手は俺の体重移動の間違えを細かく指摘、指導してくれた。
おの教えを心掛けてサーキットへTRY。
おっ!ステップが摺った。
興奮した!!
そして師匠、新垣選手の走りを見る。
マシンは自分より古いR6だ。
最終コーナーで立ち上がりの途中にシフトアップ。
マシンはケツを振りながら立ち上がっていく。
ストリートじゃこんなの見たこと無い!!
サーキットってスゲェ・・・。
自分も興奮してコースイン。
季節は11月。
今、考えれば路面温度は低かったんだろう。
こんな短時間でステップを摺って走れる自分に奢りもあったのだろう。
コースの一番奥のヘアピンカーブの立ち上がりでアクセルを一気に空けた。
さっきの新垣選手のようにイクんだ!
次の瞬間、R6は制御不能になりハイサイドを喰らう。
その瞬間は今でも覚えている。
宙を舞う自分。
火花をあげて滑っていくR6。
その次に待っていたのはアスファルトに叩き付けられる自分。
ほんの一瞬の出来事だった。
立とうと思ったが体が動かなかった。
仲間達が来て担架で自分を運んでくれた。
しばらくPITで横になる。
体が動くようになった。
帰りの事を考えないとね!
みんなの走りを見る。
速い・・・。
と言うか走り慣れてる。
自分が今までストリートで積んだ経験なんて全く通用しなかった。
その日は最後までみんなの走りを見て過ごした。
そして痛んだ体にムチを入れて自走で家に帰った。
家に帰った途端に体中が痛み出した。
夜も寝れない。
次の日に病院に行った。
診断は軽度の全身打撲・・・。
R6は左ハンドルが曲がり、シフトペダルが折れ、フレームスライダーが半分くらい削れていた。
2日後には九州への出張が待ったいた。
確か足や腕の関節をテーピングして行ったっけかなぁ。
そして夜も体が痛くて寝れないんで低反発マットレス買ったな。
それから自分は思った。
もっとサーキットを速く走りたいと・・・。
そして新垣選手が主催するサーキット虎の穴や、筑波をメインにした走行会に参加した。

R6もゼッケンプレートやシートカウルを付けてサーキット仕様に。
何度かR6でツーリング行ったが前傾姿勢が辛くて公道は無理と判断して車検はパス。
でもアクセルを開けるとすぐにウィリーしてジャジャ馬なところは気に入っていた。
その後、トランスポーターも購入しサーキット走行に本格的に目覚めた。
もちろん革ツナギも購入した。
なんで今まで自分はこの世界を敬遠していたのだろうと思うくらいに。
そして数年してGSXR-1000 K9を購入。
最強のSSだ。
初めてK9で筑波を走った感想は・・・。
直線は速いがインフィールドでは重い。
R6と比べて20kgの重量差。
こんなにも違うのか。
おそらく筑波あたりではR6の速いだろう。
バックストレートのスピードではK9の方が出るだろうけどインフィールドじゃ軽量の方が有利だ。
でもこれからはK9で走る!
半年ぶりにR6のエンジンをかける。
バッテリーは既にアガっている。
もう三日間もチャージしながらセルボタンを押す。
セルは回るがエンジンは息を吹き返さない。
何度やってもダメ。
こりゃ不動車かなと思って今日も会社から帰ってきてセルボタンを押した。
全然クランキングしない。
諦めモードで最後にセルボタンを押す。
エンジンがクランキングした!
次の週間、久しぶりにR6が息を吹き返した。
アクラポビッチのマフラーを唸らせながら!
排気ガスが臭い。
目が痛い!
ガレージのシャッターを開ける。
何とか不動車の汚名は返上だ。
次の週末にはノーマルに戻そう。
そしてバイク王にTELするか。
いままでありがとう YZF-R6・・・。
これからも走るよ、俺!!